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2024.07.12
彫刻家 青木野枝(あおき・のえ)氏による作品《しきだい》が設置されました。
7月10日(水)、鳥取県立美術館の屋外彫刻の一つ、青木野枝氏の作品《しきだい》が、エントリープラザに設置されました。翌11日(木)には、報道陣向けの記者発表が行われました。
《しきだい》は、コールテン鋼という鉄を円形に溶断し、溶接して作られた、3つの逆円錐形状の彫刻です。
高さは約3.9メートルで、鳥取県中部の製鉄や鍛冶の歴史、そして美術館の立つ場所やその存在に思いをはせ、制作されました。
美術館の入口に立ち、存在感を放ちながら私たちを迎え入れます。
目線を空へと誘う
青木氏は作品の特徴的な形状について、「上部へと広がる逆円錐状の形によって、訪れた人が上を見上げる、空を見上げるということがあるのではないか」といいます。
作家自身によって溶断・溶接された球形の鉄が織りなす彫刻のシルエットは、見る位置によって異なる豊かな表情を見せ、次第に鑑賞者の目線を彫刻の上部、空の方へと誘います。
鑑賞者を動かす彫刻
鉄という素材の重厚さにもかかわらず、軽やかな印象を与えながら、古来より存在し、時とともに変化する鉄の姿によって、まるで以前からそこにあったかのような、親しみやすさを感じさせる彫刻。
美術館の入口に位置し、訪れる人々の感覚を揺り動かす彫刻の魅力を、ぜひ実際に足を運んで体感してみてください。
【略歴】
東京に生まれる。1983 年武蔵野美術大学大学院彫刻コース修了。現在は埼玉県内にアトリエを持ち、内外での彫刻展、現代美術展に参加。美術館での個展も多数開催。東京や大阪、倉敷などに野外彫刻も多く設置され、美術館での作品所蔵も多い。