鳥取県立美術館ボランティア『TMOA+』交流会 開催レポート - 鳥取県立美術館

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EVENT REPORT イベントリポート

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鳥取県立美術館ボランティア『TMOA+』交流会 開催レポート

鳥取県立美術館ボランティア『TMOA+』交流会 開催レポート サムネイル

 鳥取県立美術館では、「みんなでつくる美術館」を実現するため一般の皆さまに美術館ボランティアとして活動いただいています。『TMOA+』として美術館を拠点とした「人と人」「人と作品」「人と出来事」をつなぐ活動へ参加し、より深く美術館を楽しんでいただくことで、美術館をつくるプラスの力が生まれることを目指します。その活動開始に向け、TMOA+同士の交流の場として3月1日(土)に交流会を実施しました。鳥取県立博物館で実施してきた教育普及活動の中で、誰かの場所・居場所としての美術館の存在意義が見えてきたことを受けて、「美術館」そのものが自分や誰かにとってどのような場所・居場所になりうるのかを考える機会となりました。 またゲストに稲庭 彩和子氏を迎えて講演をしていただき、貴重なお話を伺うことができました。


ゲスト:
国立アートリサーチセンター
主任研究員 稲庭彩和子氏

※国立アートリサーチセンターのホームページより引用

 まずはじめに、美術館スタッフやTMOA+の皆さまでグループに分かれてお互いの自己紹介をしました。1人1人「自分にとって鳥取県立美術館はどんな場所?」について話しました。その後、稲庭氏より1時間の講演をしていただきました。

稲庭氏の講演

 社会や人と美術館をつなぐ活動を第一線で実践されてきた稲庭彩和子氏を講師に招いて、これまで社会において美術館がどのような役割を果たしてきたのか、そしてこれからはどのような役割を担っていくのか、具体的な事例をもとにお話を伺いました。

 稲庭氏が立ち上げに携わり、東京都美術館で14年に渡って活動が続いている「とびらプロジェクト※1」については、参加しているアートコミュニケータのインタビューを含んだ映像も交えてお話いただきました。美術館に関わる人たちのいきいきとした表情が印象的でした。

 また「芸術や文化財は私たちが過去から受け取る贈り物」であり、それを伝えていくことで自分にも返ってくる「ギフト×ギフトの関係」が生まれ、それによってウェルビーイング(それぞれの尊厳が守られる状態でコミュニティに受け入れられ、生き生きとしていられる状態)が実現されるという興味深いお話も聞くことができました。

 その後18グループ(各5~6名)に分かれ、グループワークを30分程度行いました。最後は発表を行いそれぞれ稲庭氏よりフィードバックをいただきながら、アイデアや対話の重要性について考える貴重な場となりました。

参照:「とびらプロジェクト※1」について
詳しくは、こちらをご参照ください https://tobira-project.info/about/

グループワーク

 各グループに分かれ「鳥取県立美術館をこれからどのような美術館にしていきたいか、そのために1人でまたは皆でどのような取り組みをしていきたいか」という議題について話し合うグループワークを実施しました。「グループで話し合う際、議題に対しての出発点として目の前にいる方たちと実現できることからはじめる」という稲庭氏からのアドバイスを受け、様々なアイデアがたくさんでてきました。

その中から数グループに発表をしていただきました。

●今まで着たことのないような服を着て生前葬を行い、親族や友人から忌憚なく自分について話をしてもらった後で好きな絵に囲まれておくってもらい、人生の最期を美術館で輝かせたい。

稲庭氏:
宗教色が薄くなる現代社会では、美術館のような場が生と死を感じたり考える場所として機能しうるのではないか。事例としては昨年、東京都美術館では「動く、遺影!イェイ!イェーイ!※2」というワークショップが開催され、ユニークで反響の大きい取り組みであった。

参照:「動く、遺影!イェイ!イェーイ!※2」について
詳しくは、こちらをご参照ください https://www.zuttobi.com/movie/ugokuiei2024_movie

●1人で鑑賞していて無性に誰かと共有したくなったときなどに誰でも話しかけてもOKのバッジをつけて感想を言い合ったり、個人の人物像や背景を想起させる“今日のわたし”について記入する「ノート」などを置いて、来館者同士のコミュニケーション手段をつくりたい。

稲庭氏:
ニューヨーク近代美術館などで話しかけやすくする取り組みが実施されている。鳥取県立美術館では、ひろまに木の丸いテーブルもあり、すぐにでも取り入れられるアイデアである。

●美術館は静かな空間という印象があるので、和やかで広く開かれた空気感が必要である。またどのような方も排除することなく、まずは美術館で受け止めることからはじめ、皆が心地よく鑑賞できる場づくりを一緒に考えていきたい。

稲庭氏:
何か解決したい課題をお持ちの方が身近にいると、より当事者の目線に近づくことができる。勉強会などを通して多様な当事者の視点を共有して理解を深めニーズに応えることもできるのではないだろうか。

様々なユニークなアイデアの発表で、参加者の皆さんからの反響も大変大きい様子でした。今回、時間の都合で発表できなかったグループの貴重なアイデアを埋もれさせないためにも、各テーブルにメインアイデアを書き残していただいています。

全体を通して

市民協働プロジェクトの代表として挙げられる「とびらプロジェクト」を実践されてきた稲庭氏の貴重なお話しを聞き、新しい考え方と丁寧な説明に会場全体が引き込まれるようでした。

またグループワークでは、会場の空気に熱が帯びるのを感じるほど活発に意見交換が行われました。発表ごとに稲庭氏の具体的なフィードバックがあったことでより気持ちが高まる場となりました。 これからTMOA+の活動を始めることに向けて前向きな意見が多く、今回の交流会がこれから活動をしていくうえでとても力強いエネルギーとなったように見受けられました。この機会がこれからのTMOA+の活動の原動力となり、より多くの対話が生まれていくことを期待しています。

交流会にご参加の皆さまのお声

  • TMOA+の連帯感が強くなりました。
  • 同じ志を持った知らない人達が集まることはとても興味深いです。
  • サードプレイスが出来ることをとても嬉しく思っています。

などの感想をいただき、交流会を通してTMOA+の皆さま同士のつながりも深まっている様子でした。

また稲庭氏の講演会については、

  • 「美術館・アート」の考え方やとらえ方を改めて学び、社会の中で自分が何かできるか考えるきっかけになりました。
  • 美術館の役割が自分たちの生活と深くかかわっていくということに、時代の変化を感じました。
  • 「対話」を大切にしながらこれからの活動をがんばりたいと思えた講演会でした。

などのお声をいただきました。

さいごに…

すべての人にとって、「アートを通じた学び」を深める場として、そして鳥取の文化を世界に発信しつつ皆さまの誇りの拠り所となるような場づくりを行って参ります。 鳥取県立美術館は「OPENNESS!(オープンネス)」という言葉と共に、さまざまな価値観に対して開かれる公共空間として、新時代の美術館にふさわしい文化や情報発信の拠点となるようこれからも目指していきます!

TMOA+ 次年度募集について

これからもTMOA+の活動は年度を重ねながら、さらに大きく続いていきます。
今後TMOA+の活動参加へのご条件については、

  • 15歳以上(中学生を除く)※未成年の方は保護者の同意が必要
  • TMOA+の活動は無償 ※交通費・謝礼のお支払はなし
  • 共通研修・個別研修(活動内容に関する研修)の受講が必要
  • 活動期間は1年 ※年度ごとにご本人の意思を確認して更新
  • ボランティア保険への加入が必要(※保険加入にかかる費用は鳥取県立美術館が負担、個人情報の提供が必要)

でございます。

次年度募集は冬頃に募集開始を予定しておりますので、ぜひ皆さまのご参加をお待ちしております!

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