コレクション展 COLLECTION
一覧に戻る「ブリロ」が「モリロ」に出会ったとせよ ―アンディ・ウォーホル 森村泰昌 二人展―

《ブリロ・ボックス》はポップ・アートの旗手、アンディ・ウォーホルの代表作の一つとして知られています。実在する洗剤付きたわしの梱包箱を模したこの作品は「現代美術」の成立を象徴する画期的な作品とみなされる一方で、非芸術的、非個性的な外観によって大きな議論を引き起こし、その余波は発表から半世紀を超えてはるか山陰地方にも及びました。
鳥取県立美術館ではこの作品をさまざまな文脈の中で紹介する試みを続けていますが、ウォーホルに扮した作品を制作したこともある美術家、森村泰昌が制作した《モリロ・ボックス》と合わせて展示することにいたしました。
過去の巨匠や名作の中に自身を紛れ込ませる独自の作風で知られる森村がウォーホルと《ブリロ・ボックス》に挑戦する時、どのような展示が出現するか。あなた自身の目でお確かめください。
森村 泰昌
- 1951年大阪生まれ、大阪在住。1978年京都市立芸術大学を卒業。美術史上に名を残す巨匠の名画の中に、変装した自分の姿を挿入した写真作品や、古今東西の有名な映画女優のポートレート写真を下敷きに作家自身が女優に扮装したセルフ・ポートレート写真で知られる。1988年にヴェネツィア・ビエンナーレのアペルト部門に出品して以来、世界各地の国際展に参加し、近年ではジャパン・ソサエティ(2018年)、プーシキン美術館(2017年)、国立国際美術館(2016年)、アーティゾン美術館(2021年)で個展を開催したほか、「横浜トリエンナーレ2014」でアーティスティックディレクターを務めるなど、国内外で活躍を続けている。
アンディ・ウォーホル
- 1928年、アメリカ合衆国のペンシルバニア州ピッツバーグのスロバキア移民の家庭に生まれる。1949年ニューヨークへわたり、商業デザイナーとして活動を始める。1960年代はじめ、ディック・トレイシーやポパイなど漫画の主人公を粗い筆致で描いた作品を発表。1962年にはキャンベル・スープ缶、コカ・コーラなど大量生産されたありふれた商品や、ドル紙幣やドル記号そのものを描き、資本主義社会を反映した作品で脚光を浴びる。またマリリン・モンローやプレスリーなどマスメディアで流通する有名人のイメージをスクリーン・プリントで転写・反復したシリーズを制作、ポップ・アートを代表するアーティストとなる。ほかにもロックバンドとのコラボレーションや映画制作など多面的な活動を展開し、現代美術の世界的なアイコンとして知られる。1987年、ニューヨークで没した。
展覧会情報
タイトル
『「ブリロ」が「モリロ」に出会ったとせよ ―アンディ・ウォーホル 森村泰昌 二人展―』
※ブリロ・ボックス展示
会場
コレクションギャラリー3
会期
2025年10月9日(木)~12月7日(日)
休館日
10月14日(火)、20日(月)、27日(月)、11月4日(火)、10日(月)、17日(月)、25日(火)、12月1日(月)
関連企画
学芸員によるギャラリートーク
日時:①10月12日(日)14:00~15:00
②11月16日(日)14:00~15:00
会場:コレクションギャラリー3
申込不要/要観覧料
講演会とトーク|「ブリロ・ボックスは、なぜおもしろいのか?」

ウォーホルと《ブリロ・ボックス》について森村泰昌氏にお話いただいた後、当館館長 尾﨑とトークをいたします。
日時:11月9日(日) 14:00~15:30(定員60名/当日先着順)
会場:1Fホール
クロージングイベント|映画「エゴ・シンポシオン」上映会
展覧会場ではウォーホルのセクションのみ上映されている森村泰昌作「エゴ・シンポシオン」の全編を上映。
日時:12月7日(日) 14:00~15:15(定員60名/当日先着順)
会場:1Fホール


