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2024.04.01

館長あいさつ

2025年の春、待望の鳥取県立美術館が開館します。

手狭となった鳥取県立博物館から美術部門を独立させ、新しく県立美術館を整備することが決定されてから10年の長い道のりでした。PFI手法の採用、公開プレゼンテーションによる事業者の決定、鳥取県立美術館は後発であることの強みを生かして、さまざまな新しい可能性を取り入れ、新時代の美術館にふさわしい施設として出発いたします。

世界的に高名な建築家、槇文彦氏が率いる槇総合計画事務所の手による建築は、大御堂廃寺跡を臨み、美術館としては異例の、陽光があふれる開放的な広がりを特徴としています。私たちはこの美術館に「OPENNESS!(オープンネス)」というブランドワードを与え、新しい美術館の理念といたしました。「OPENNESS!」とは単に明るく開かれた空間という美術館建築の特性のみならず、さまざまな価値観に対して開かれ、新しい価値を創り出すことを恐れない美術館の精神を象徴し、方針の決定や事業者や建築の選定にあたっても常に情報を公開してきた美術館整備の歴史とも重ねることができます。

美術館は誰に対しても開かれた公共空間として、館内の展示や回遊を楽しんでいただき、さらに「アートを通じた学び」の拠点、アート・ラーニング・ラボとしての役割も果たしてまいります。美術をめぐる人と作品、情報の結節点として、来場した皆様が美術を浴びるように享受できる場所となることをめざします。最後発の、新しい美術館の挑戦に御期待ください。

鳥取県立美術館館長
尾﨑信一郎

greeting 館長あいさつ

尾﨑信一郎
Shinichiro OSAKI

1962年鳥取市生まれ。1992年、大阪大学文学部大学院芸術学研究科博士課程単位取得修了。1987年より兵庫県立近代美術館に学芸員として勤務、1995年より国立国際美術館に研究員、1998年より京都国立近代美術館に主任研究官として勤務した後、2006年より鳥取県立博物館に勤務。著書として『絵画論を超えて』(1999年 東信堂)、『戦後日本の抽象美術』(2022年 思文閣出版)共著として『美術批評と戦後美術』(2007年 ブリュッケ)ほか多数。企画した主な展覧会として「重力-戦後美術の座標軸」(1997年 国立国際美術館)、「Out Of Actions – Between Performance and the Object」(1998年 ロスアンジェルス現代美術館ほか巡回)、「痕跡-戦後美術における身体と思考」(2004年 京都国立近代美術館)、「生誕100年 彫刻家 辻晉堂展」(2010年 鳥取県立博物館ほか巡回)、「日本におけるキュビスム」(2016年 鳥取県立博物館ほか巡回)ほか多数。

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